■ 四象体質とは? ■
四象体質医学は、朝鮮の東武・
李済馬(イ・ジェマ)先生(1836年〜1900年)によって長い韓医学の歴史の中で独創的に創設されたものです。
李済馬先生は自分の体を実験台にして体質医学の研究を進められ、やがて哀しみ、怒り、喜び、楽しさの感情の変化が肺・脾・肝・腎など臓器に影響することを悟られ、喜怒哀楽の偏りが、病をいっそう重くすることを明らかにされました。
その体験をふまえ人々に自らの体質を悟らせ、喜怒哀楽の感情の過剰を抑制し、正しい善なる生活を送ることを勧め、また病にかかったら、体質に合った薬物による治療が必要なことを説きつつ治療活動を続けられました。
1894年、先生は長年の臨床体験をふまえご自分の考えを「四象医学」として体系化され、『東医寿世保元』を執筆されました。
『東医寿世保元』は大変難解な著作のため多様な方面から現代語訳されたのです。
現代韓国では近年、この四象体質医学が再び見直され、多数の出版やテレビでドラマ化されるなど、大変な注目を浴びています。
それを分かりやすく解説したのが下記の項目です。
■ 四象体質の種類 ■
四象体質論は人間の体質、性格、感情の関係から疾病の原因と生成、その治療法を説く独創的なものです。
人間は、4種類の体質に大別されるといわれ、太陽・太陰・少陽・少陰に別れます。それぞれの特徴としては、
太陽は肺が強く、肝臓が弱い
太陰は肝臓が強く、肺が弱い
少陽は脾臓が強く、腎臓が弱い
少陰は腎臓が強く、脾臓が弱い
自分がどの体質なのかをテストし、これらの特徴をふまえて、それにあった食べ物を摂れば健康を維持する事が出来ます。
■ 四象体質と食事と疾病の関係 ■
一般的に人の体に良いとされる食べ物が、果たして全ての人の体質に合うと言えるでしょうか?
皆、人それぞれ食べ物の好き嫌いはあるものの、今の飽食時代を生きる人間、特に先進国に住む人間にとって、何が自分の体質と体調にあった食べ物なのか判断ができません。本来人間が兼ね備えていたはずの本能がこの飽食文化によって鈍くなってしまったのです。
最近、チラシや広告などで「体に良い」「あなたの健康を支える」など、数知れないほどの健康食品の宣伝を目にする事がありますが、たとえ高価で希少価値の高い栄養があるものであっても、体質や病状によっては摂取してはいけない食べ物もあるのです。
それを知らずに体質にあわない食事を摂り続けてゆくと、不要もしくは害になりうる要素が体内に蓄積され内臓に負担がかかり、のちには体調を崩し、大病を招く事になりかねません。
自分の体質を正確に見分け、それにあった食事を心がける事で健康な毎日を過ごすことが出来るのです。
もちろん健康は食事だけで維持できるものではありません。
適度な運動とストレスをためない人間関係、何よりも気分よく笑ってすごせる環境にいる事が大切です。
■ 四象体質テスト ■
<通称 オーリング・テスト>
ここでは、誰もが簡単に出来る四象体質医学論に沿った健康法をご紹介します。
(1) 予備知識
5本の指は各内臓に対応しています。体質によってそれぞれ強い臓器・弱い臓器があり、金色(暖色)の指輪でその弱い臓器を強め、銀色(寒色)で強い 臓器を弱める事によって内臓のバランスが保たれるのです。
親指=肝臓、人差し指=心臓、中指=脾臓(消化器系)、薬指=肺 小指=腎臓(泌尿器系)
(2) 準備するもの
金色の指輪と銀色の指輪を用意します。色で判断するので本物でなくても構いません。
(指のサイズにあわなくてもOK。小さいものは指先にひっかけるだけで良い。)
(3) 実 践
二人で行います。
@ テストしてもらう側(A)は利き手の親指の先と人差し指の先をくっつけて輪を作ります。
このとき100%の力を加えます。
A テストしてあげる側(B)は両手の人差し指で、
(A)の輪を内側から外側に80%くらいの力で引き離すように広げます。
このときの力加減を覚えておきます。
B下記指定の指輪をはめながらテストしていきます。
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テ ス ト 方 法
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太陽人
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(A)は、テストする手とは逆の手の薬指にシルバー、親指にゴールドの指輪をはめて指で輪を作り、(B)は両手の人差し指で(A)の輪の内側から外側に引き離すように広げます。このときがっちりと、(A)の指と指が離れないようなら(A)は太陽人です。逆に、簡単に離れた場合は、他の項目をテストします。
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太陰人
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太陽人とは正反対に、親指にシルバー、薬指にゴールドで上記と同じようにテストをして指が離れなければ太陰人です。
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少陽人
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(A)は、テストする手とは逆の手の中指にシルバー、小指にゴールドの指輪をはめて指で輪を作り、(B)は両手の人差し指で(A)の輪の内側から外側に引き離すように広げます。このとき、がっちりと(A)の指と指が離れないようなら(A)は小陽人です。逆に、簡単に離れた場合は、他の項目をテストします。
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少陰人
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少陽人とは正反対に、小指にシルバー、中指にゴールドで上記と同じようにテストをして指が離れなければ小陰人です。
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■ 体質にあう食べ物 ・ あわない食べ物 ■
※食事の際、極力水分と一緒に摂らないほうが良い。(消化不良を起こしやすい。)
ただし少陽人に限っては胃の消化が大変良いので、食事中に水分を摂ったほうが良い。
(胃酸が多いため、胃酸を薄める意味でも水分補給は不可欠)
「体質にあう食べ物・あわない食べ物」の表
■ 参考書籍 ■
「幸せを呼ぶ韓流パワー診断」
著者 張賢鎭
翻訳 森エマ
出版社 晩聲社
定価 1260円
四六並製/96頁
■ 関連書物 ■
『東医寿世保元』
〜 韓国四象体質医学の原典 〜
著 者 李済馬
発行所 (株)三冬社