冠省
いつもお世話になり有難うございます。
いきなりで恐縮ですが、添付のインド映画「恋する輪廻−オーム・シャンティ・オーム」の全国展開のメドをつけましたら、私は劇場映画事業から身を引き、今後はソウルで進行中の企画作品の完成展開を見届けるまで、韓国に軸足を移すことを考えております。
「文化はビジネスにならん」と皆さんに反対されながら映画を事業として取り組み始めたのは1988年ソウルオリンピックの頃でした。
映画事業に先立つ四年前の1984年から西宮でビデオショップを営んでいる中、様々な国の作品が来るのになぜ韓国映画がないのかと思ったことが動機でした。
「文化不毛の地」と言われた韓国から来た映画は作品の水準はあるものの、知名度に欠け劇場公開は苦戦する作品が少なくはなかったのですが、予想だにしなかった「韓流ブーム」のおかげで、小社を今日までつつがなく運営してまいりました。
劇場公開作品についても、皆様方のご協力を得て2010年の「クロッシング」は期待以上の大ヒットとなり、その後も「氷雪の門」「鬼に訊け」等スマッシュヒットが続き、「意義と商売」が両立する結果を出すことが出来ました。
しかし、劇場公開に伴う労力と心身にかかる負担は想像を超え、また健康上の憂慮もあり、第一線から身を引く決心をした次第です。
「恋する輪廻−オーム・シャンティ・オーム」について私の思いを綴った原稿に目をとおして頂き、私の最後となる劇場公開作品へのご協力を賜りますようお願い申し上げます。
尚、前述の西宮のビデオ店の跡地は現在、ミニ商店街として皆様に可愛いがって頂いております。こちらは亡父と縁のある物件のひとつですので、皆様方から、より好かれる商店街にすべく力を注ぎたく思っております。
春が待ち遠しい今日この頃、風邪など召されませぬようくれぐれもご自愛ください。
平成25年(2013年)2月吉日
朴 炳陽 拝上